プリズム
先達はあらまほしき事なり—先輩に学ぶ報恩感謝の心
入間川 清子
1
1北里大学看護学部
pp.25
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921892
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「徒然草」の第51段に次のような一節がある.「すこしのことにも,先達はあらまほしき事なり」 仁和寺というところにいた法師は,高齢になるまで京都郊外の山頂にある寺に参詣したことがなかった.ある時,参詣を思い立って出かけ,麓の寺や神社を詣でた,他の人々が山に登っていくのを見て,その法師も登ってみたいと思ったが,参拝することが願いで,山に登る必要はないと考え,そのまま帰って来た,そしてそのことをむしろ誇りに思い,友人に語ったのであろう.上記の一節は,以上を受けた結びである.
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