特集 ターミナルケアはどこまで可能か—さまざまな場での看とり
インタビュー/生の可能性に賭けるターミナルケア—青森県・町立田子(たっこ)病院横内正典院長に聞く
本誌編集室
pp.1067-1071
発行日 1987年11月1日
Published Date 1987/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921849
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
癌末期の患者に漢方を取り入れたユニークな医療を展開している病院がある.横内正典院長を始め全職員が一丸となって「クランケン・ハウス(患者の家)」を目指し「小さな病院の大きな医療改革」と取り組んでいる町立田子病院がそれだ.
病院でのターミナルケアの限界は,病院が治療機関であるというその機能的な制約に由来している部分が少なからずあるのではないか.つまり治療できない患者を治療の場で抱え込まざるを得ない状況があるにもかかわらず,環境やシステム,さらには人的資源,考え方が追い付いていってない矛盾が,ターミナルケアの場面で象徴的に出てきているのではないかと思える,このことは,治療機関とはある距離をおきながら,ホスピスが成り立っていることを考えると,よく理解できるような気がする.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.