学生の広場
“不眠恐怖”に与えた看護者の影響
永石 博子
1
1高知女子大学家政学部看護学科
pp.890-893
発行日 1987年9月1日
Published Date 1987/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921807
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はじめに
佐藤尚枝の調べ1)によると,入院時不眠を経験した患者は100名中72名だったという.患者の話を聞いていても,「眠れない」または「以前眠れなかったことがある」と訴える患者は多い.
そしてこれまでに看護者の手がけた不眠に関する研究2,3)では,その原因の主たるものを環境の変化であるとした報告が多い.しかし,長期にわたってひどい不眠を訴える患者では,最初はそのような理由から起こった不眠であったとしても,のちにはそれを気に病むばかりにますます症状を強めていく神経質の不眠,すなわち不眠恐怖になっている場合が多いのではなかろうか.
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