ハワイからのAIDSレポート—AIDSに強くなろう・2
基礎知識と最新データ
池上 千寿子
1
1ハワイ州ライフファンデイション(エイズ基金)
pp.584-587
発行日 1987年6月1日
Published Date 1987/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921740
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まず,エイズについて基礎的知識で武装し,きたるべきパニックに備えましょう.パニックとは大げさなと笑わないでください.「エイズの教育は小学校の低学年から家庭で行なうべきだ」とアメリカ公衆衛生局長官がレポートを発表(1986年).ゲイの権利だの性教育だのシャラクサイという保守の親玉とされた一人がついにエイズ教育に踏み切り大向こうをうならせた.とたんに,「8歳児に肛門性交とその危険性を教えるというのか!!」と親の一部はパニック.エイズ患者と同じ屋根の下で生活したり,机を並べるだけでは感染しないとわかっていても,“エイズゆえの解雇を合法化する”運動は起きるし,教育委員会が認めたエイズ患者児童の通学を,体を張ってピケで阻止する親たちはなくならないのです.看護や病院従業員がエイズ患者の治療を拒否—今でこそ減ったものの1981-82年当時はよく耳にしたものです.正確な知識・情報はいくらあっても邪魔になりません.どんなにあっても足りないくらい.
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