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特集 セルフ・ヘルプの理解のために
セルフ・ヘルプ活動を支える
Supporting Self-Help
Karen Hill
1
,
岡 知史
2
,
久保 絋章
3
1カナダ社会開発協議会
2大阪市立大学生活科学部社会福祉学研究室
3四国学院大学
pp.39-46
発行日 1987年1月1日
Published Date 1987/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921614
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セルフ・ヘルプ・グループ(SHG)は,人間の生活上のあらゆる出来事に対しても,組織されているようです.例えば,老親の介護者のグループ,幼いわが子を突然に亡くしてしまった親のグループ,両親を亡くした子どものグループ,食欲不振症から肥満症,さらに骨多孔症から高血圧症にいたる,さまざまな病気をかかえた人々のグループがつくられています.また依存ないし強迫行動を持つ人々のグループは数多く,アルコール依存症者匿名協会,麻薬常用者匿名協会,ギャンブラー匿名協会,両親匿名協会等は,ほんのわずかな例にすぎません.女性ないし男性が,親となったり,離婚したり,配偶者と死別したり,障害を持つようになり,その人生に変化が生じた時は,人生における新しい役割,あるいは新しく認識した役割を遂行しなければなりませんが,そのためのサポートを得るために彼らは,かかえている問題別にそれぞれ集まるのです.その数は正確には述べられませんが,北アメリカだけでも,何千というSHG,そして何百万人という会員がいると広く信じられています.
これは素晴らしい社会的趨勢であり,私は強くその価値を信じているものです.私は今日,セルフ・ヘルプ活動の長所,特徴,それに限界について述べたいと思います.そして,特に,専門職や社会機関,研究者や政府,それに自助者(self-helper)たち自身によってどのように,その運動が推進されうるのかということについて述べたいと思います.
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