ニューヨークのナーシングホームから・12(最終回)
レジャーと生きがい
吉田 冬子
1
1Mary Manning Walsh Home
pp.1426-1427
発行日 1986年12月1日
Published Date 1986/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921601
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最近入居した人のカルテ番号をみると,3300番台で,このホームが始まって20年間に約3000人ほどがここで亡くなっている計算である(たまに他のホームに転院もあるが).人間,命尽きればそれまでで,ライフそのものが夕ーミナル・ディジーズとみなすこともできる.そう考えると,レジャープログラムも一種のターミナルケアなのではなかろうか.いずれにしろ係は,楽しく生きがいもあり,生産性のあるものにしようと張り切っている.
プログラムには手芸,あみもの,ケーキ作り,絵画,音楽,園芸,観劇,ビンゴゲームやダンスパーティなどがあり,講師は職員,家族会,ボランティアで構成されている.音楽を例にとれば,子供のABCの歌からオペラのアリアに至るまで幅広く多彩である.入居者に元プロの音楽家だった人もおり,弟子や孫弟子たちが見舞いついでに講師やコンサートを引き受けてくれるのも心強い.
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