人工臓器・7 最先端の技術を探る
一時的な人工材料による膀胱再生
pp.724-727
発行日 1984年7月1日
Published Date 1984/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920809
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人工膀胱開発の歴史
膀胱は腎で生成された尿を一定量貯留した後,排泄する臓器である.この臓器が機能的,器質的に障害を受けた場合や,膀胱腫瘍などにより摘除術を受けた場合には,これに代わるべき機能代行処置がとられなければならない.この目的が不可能なために.泌尿器科では従来から,主に尿路変更術が行われてきた.
この方法は主として生体自己組織(腸管など)を用いて,回腸造設術などを行い,腹壁に尿管瘻などを造る方法である.しかしながら,尿管瘻などを造ったまま生活することは,不自由,かつ不自然である.そのため,尿路を再建し,尿道からの排泄という,自然に近い状態で社会復帰させることを目的として,近年非生体自己組織,非生体材料などを使う方法(人工膀胱造設)が検討されるようになった.
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