Japanese
English
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膀胱再生手術とキモプシン
THE EFFECT OF CHIMOPSIN FOR HUMAN BLADDER REGENERATION
鶴見 和弘
1
Kazuhiro TSURUMI
1
1長野逓信病院皮膚泌尿器科
1The Clinic of Dermatology and Urology, Nagano Teishin Hospital
pp.879-882
発行日 1964年9月1日
Published Date 1964/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203875
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I.はじめに
創口治癒過程における蛋白分解酵素は,組織局所の浮腫を除き,壊死部の融解処理と新生組織の形成促進,瘢痕化の抑制などの点で多く用いられているが,かかる蛋白分解酵素の作用が形態的に捉えられる一例として,われわれの行つた胱胱再生手術における再生治癒の過程についての観察をのべる。
従来われわれの行つた2例と市川・柿崎例1)の胱胱再生術成功患者例を比較してみたが,この中最近行つた1例につき,術後処置としてキモプシン(α—chymotripsin:分子量22,500のエンドペプチダーゼ)を使用し,これを使用しない他の2例とは手術法及び術後処置,その他種々の条件の相違を考慮に入れる必要はあるが,大体に於て大差ないと考えられるので,第1表に総括した如く,創口治癒及び再生の指標となり得る因子を中心に,比較の対象となるべきものを取上げてみた。例数が少ない点にも問題は残るが,全体として一つの明らかな傾向を認め得る。
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