特集 ‘援助’と‘看護’の間—独り善がりな看護ケアからの脱皮を
学生の行動にみる看護のマイナス因子
松村 悠子
1
1北海道大学医療技術短期大学
pp.315-319
発行日 1984年3月1日
Published Date 1984/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920725
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はじめに
‘社会が決めた病者役割行動の特徴は,患者に日常生活上の責任を軽減または免除する代わりに,医療従事者の指示に従って回復への努力をすることが義務づけられている’とWu.Ruthは述べている.患者になるということは,たいへんな課題を背負うことである.時には自制力を失い,子供のように振る舞う自分に気づき,恥や罪の意識に悩み,不安と孤独の中へ落ち込んでいく患者の姿に対して,看護者はどう接していけるのであろうか.
私は教師という立場で看護の場を見る時,特に学生が体験する事象の1つ1つに看護婦行動の原点をみる思いで学生を見つめることがある.その理由は,患者と看護者の立場が対等であることから,かかわりが始まるからであろう.
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