バリント方式による患者理解・1
バリント方式による全人的理解とは
永田 勝太郎
1
1北九州市立小倉病院内科
pp.101-104
発行日 1983年1月1日
Published Date 1983/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919767
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バラエティに富む‘人’をどうしたらよく理解できるか
私たち医療に従事している職業人は,毎日毎日たいへんな数の患者さんと出会います.乳幼児から老人まで年齢も様々ですし,たいへん威張った方もいれば,静かな患者さんもいます.時には外人が来院することだってあります.また,どこが悪いのかと思うような元気な人もいますし,昏睡状態でかつぎこまれる人もいます.体じゅうに吐物のついた汚れた人もいるし,きれいに着飾って来る人もいます.
外見をみただけでも,こんなに違います.患者さん1人1人の訴える病状は,もっと多種多様です.‘痛い’ということひとつをとっても様々です.‘痛い,痛いよう.看護婦さん,どうにかしてくださいよお’と騒ぐ人もいるし,‘こんなに痛いのに,まだ診てくれないのか’と怒る人もいます.逆に,腹を押さえて隅のベンチでうずくまっている人も見かけます.また痛みを忘れるために,歯をくいしばって天井をにらみつけている人もいます.
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