ホームケア・9 新宿区立区民健康センター訪問看護婦のリレー随筆
残暑のある日に
加藤 登志子
pp.1006
発行日 1982年9月1日
Published Date 1982/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919653
- 有料閲覧
- 文献概要
9月とはいえ,うだるような蒸し暑い日が続いていた.ある日の午後M医師からの電話があった.‘Kさんの奥さんから,Kさんが高熱で痙攣を起こしていると連絡を受けたのだが,午後から急用があり,また明日から3日間地方へ出かけるので往診できない.抗生物質は出しておくが,K病院へ入院を頼んでおいたから……’とのことだった.
Kさん(71歳)は,妻と2人暮らしで,一昨年の暮れ,尿閉で某大学病院へ入院したが,前立腺肥大と尿道狭窄があり,手術もできず,バルンカテーテルを入れたまま在宅療養をするようになった,少し痴呆(ボケ)のある人である.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.