素手でつかむ看護 心に残るマラウイでの生活・6
Observation is important[2]
工藤 芙美子
1
1神奈川県立こども医療センター
pp.709
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919589
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観察した事を記録する習慣のない学生たちは,記録は医師がするものだと思っていた.測定をやるようになって,観察した事を記録するように言った.初めは記録するようになったが,自然と消滅していった.
そこで1日1回はついて回り,一緒に観察しながらチェックポイントをひとつひとつ取り上げ,下剤は,嘔吐は,脱水は,と足りない部分を付け足して質問し,それを記録させた.退院時に,余白をリスト用紙として使っていた記録用紙が,記録が行われるにつれ足りなくなり,他病棟にもらいに行くこともあった.このころには,観察を抜かすことはほとんどなくなり,‘Observation is important’という私の言葉が病院で流行していた.面白半分に言われていてもかまわなかった.耳を傾け,音楽のようにこの言葉を口ずさみながら働く学生たちの存在が,何ものにもかえがたいものになっていたから.
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