NURSES' VIEW
‘ユックリズム’をモットーに
石橋 端代
1
1京都市立病院泌尿器科病棟
pp.625
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919570
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婦長の発令を受けてから,殊更に意識していることは,‘ユックリズム’ということです.ひところ,街中に張ってあったあの‘せまい日本,そんなに……’のポスターを頭に思い浮かべるのです.天性のあわてん坊で性急な私に大過のない毎日が送れているのは,この意識のおかげであろうかと思っています.勤務している病棟が,老人,透析重症者の多いことが作用しているかもしれませんが,予測のつかない事態が起こった時,臨機応変の処置は精神的なユトリがなければとれないということを痛感させられているからです.
老人との対話はユックリズムで,諸事万端よろず承り所,重症の人は神経が高ぶっているので何事にもユックリズムで接するように努めるといったところ.スタッフへの伝達も一息飲み込んでから適切,正確にという訳です.ユックリズムを意識し始めてから,何やら物が少しよく見えるようになりました.別にサトリを開いて開眼した訳ではないのです.少し見落としが少なくなったということでしょうか.
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