特集 クリティカル・ケア[2]—事例にみる系統的アプローチとケアの実際
クリティカルな患者への系統的アプローチとケアの展開プロセス—A-Cバイパス術後患者のICU入室後24時間のケアを中心に
林 育子
1
,
久永 佳奈枝
1
,
三木 文子
2
1国立循環器病センターICU
2国立循環器病センター看護部
pp.267-272
発行日 1982年3月1日
Published Date 1982/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919491
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はじめに
クリティカル・ケアとは,クリティカルな状態(生命の危機状態)にある患者のケアを言うが,このケアは,特に患者の生命維持のために種々の医療機器を駆使して行う特異な看護技術を必要とし,具体的には,ICU,CCU,救命救急センターなどで行われるものである.
当センターの心臓血管系のICUは,患者のすべてがクリティカルな状態で入室する場であるため,本稿では,まず①この場におけるクリティカル・ケアの系統的なアプローチについて述べる.次いで,②最近の1症例(陳急性心筋梗塞,不安定狭心症から急性心筋虚血状態に移行したため,A-Cバイパス術を施行し,当ICUで順調な経過をとった患者)の看護を通して,ICU入室後24時間の患者援助の一部を,上述のアプローチにそって具体的に述べ,さらに③クリティカル・ケアの展開プロセスの問題点について考察したいと思う.
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