プロフィル
〈金井一薫〉民間療法に看護の心を探る—「ナイチンゲールを通して民間療法と出会えました」
吉
pp.225
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919481
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看護学校を卒業して東大病院で勤務していたころ、たまたま看護学校の図書館でナイチンゲール書簡集を手にとり、彼女のいくつかの言葉にうたれ、新鮮な出会いともいうべき体験をした。「その時までナイチンゲールについては全く脳裏になく、今のように看護学校でナイチンゲールについて教えられもしなかったし、ヘンダーソンも紹介されていず、看護をする上での自分のよりどころが全然なく、苦しんでいました。飢えた状態だからスッと入れたのかもしれませんね。その時慶応大学の通信教育を受けていたんですが、卒論はナイチンゲールしかないと決心しました」
当時日本にはナイチンゲールの文献が皆目なく、現代社から著作集第二巻が出るのを待ちわびて卒論を書き上げたが、それまでに六年もかかった。その後、ロンドンの大英博物館やナイチンゲール看護学校図書館などで一か月半ほどの間、ナイチンゲールの著作集を読み暮らす生活も経験した。
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