特集 民間療法と保健指導
現代医学と民間療法
室賀 昭三
1,2
1銀座内科センター診療所
2温知堂矢数医院
pp.18-22
発行日 1969年6月10日
Published Date 1969/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204441
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はじめに
近代医学は,戦後アメリカの臨床生理学的な考え方の導入にはじまり,エレクトロニクスをはじめとする,発達した近代諸科学を応用した結果,診断学的方面に著しい進歩をしめしたが,他方治療学としてはペニシリンにはじまる抗生物質,ステロイドホルモンのほかはみるべき発展がない。そして抗生物質も,ステロイドホルモンも,すぐれた効果を示す反面,しばしば副作用を示し,医師も患者もその対策に頭を悩まさねばならないことがある。
また一般開業医は多忙であり,大病院も医師および看護婦などが不足し,十分な診療ができないことが多く,国民の大多数の不完全な治療しか受けられないのが現状である。この患者と西洋医学の間隙をうめるものの1つが民間療法であろう。
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