特集 入院生活環境を再考する—音への配慮
入院生活と物音
長澤 泰
1
1厚生省・病院管理研究所
pp.147-153
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919467
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はじめに
近年,医療技術の進歩,看護水準の向上に伴って,病院では多くの急性患者をかかえ,活発な医療・看護活動が行われています.院内では大勢の人びとが動き回り,多種多様の物が搬送され,全体が機能しています.病院建築特有の複雑な給排水関係の配管や,空調・換気関係のダクトは,院内の隅々にまで到達して,ファンやモーターなど騒音源になりやすい機器類も多く設置されるようになりました.
また,従来は広い敷地にゆったりと建てられていた病院形態も,集中的な建て物構成になり,以前には離れていたために問題にならなかった音源が無視できなくなってきています。一方,病院建築には不可避の間仕切り変更を容易にするため,あるいは建設工期の短縮などの理由で,厚く重い壁に代わって,乾式工法による軽量間仕切り壁が採用されることが多くなり,騒音の伝達防止上,不利な条件となっています.
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