グラフ
患者の居住性を重視した病棟設計—‘看護的配慮’を生かし新設なった神戸市立中央市民病院
小林 道子
1
,
本誌編集室
1看護部
pp.134-139
発行日 1982年2月1日
Published Date 1982/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919464
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神戸市立中央市民病院は,市民社会に密着した医療を目指して,1981年3月,新病院としてスタートした.神戸港を蟹むポートアイランドの5万m2の敷地に,延床面積6万m2,高さ64mの近代建築技術の粋を集めた病院がそびえ立つ.三の宮駅よりポートライナー(電車)で4つ目,市民病院前駅を降りると,そこはすぐ外来受付である.広いスペースの各診療科別の外来であり,総合案内には初診患者の相談に応じるべく看護婦が配置されている.
新病院建設に当たっで看護サイドからの要望も多く取り入れられた。特に強い要望としてだされたのは,患者の居住性の確保と,看護業務上の安全性と効率化であった.患者の居住性については看護婦の臨床体験に基づくきめ細かな配慮がされている.その1つが,病室とナースステーションが一体となったアイコンタクト方式である.この方式では,オープンカウンターのナースステーションの回りを病室が取り囲む形で,病室の窓を介して患者と看護婦の接触が常に保たれるようになっている.病室の2重ガラスの窓は遮音機能を十分に果たし,岡時に内部にブラインドも降ろせるよう設計され,患著のプライバシーの保持にも細かな配慮がなされている.
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