くりにかるふぁーまころじー・12
服薬順守
佐久間 昭
1
1東京医科歯科大学
pp.1351
発行日 1981年12月1日
Published Date 1981/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919412
- 有料閲覧
- 文献概要
患者の病態を観察し,正しい診断を定めたうえ,その患者にとって最大の利益をもたらすような薬の選択を行い,用量と用法を定めることが,第一線の医師に要請される.もちろん薬を使う前になすべきこともあるし,薬を用いないという選択が最善の場合もあろう.
この基本的な考えに従うとしても,現実の世界では最初から最善の手が打てるとは限らない.信頼できる薬効評価の論文があっても,そこに述べられていることは個個の患者というよりは,群の患者の平均的,代表的な要約であり,一応の見当づけの重要な助けにはなっても,その特定の患者の年齢,性別,体型,生活環境,遺伝的素因,病気の種類や重篤度,台併症,肝臓や腎臓の働き等々を考慮したうえ,まず初期的な投薬計画を考え,その後は患者の反応を観察しながら最善の方向に軌道修正をし,遂次的に投薬計画を改善するというのが普通であろう.ここでは薬効評価の考え方が基本になる.
Copyright © 1981, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.