マイ・オピニオン
精神障害者の社会復帰に思う
岩崎 七四六
1
1神奈川県鎌倉保健所
pp.1209
発行日 1981年11月1日
Published Date 1981/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919382
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近年における精神医療は,精神病院の開放化,入院期間の短縮,院外作業やナイトホスピタル等を通して,地域社会との接触をできるだけ経験させようと力を注いでいる.それと同時に,通院治療やデイケア等により,できるだけ患者が社会生活をおくりながら治療を進める方法が取り入れられ,それが治療上および社会復帰のためにも有効であることが認められており,従って地域社会においても,病院等の医療サイドと協力して,リハビリテーションやアフターケアにより積極的に取り組み,受け入れ態勢の整備を図る必要が急務となっている.
ところで,神奈川県における社会復帰活動の概要を述べると,医療施設においては,地域における精神障害者の社会復帰の促進を図るため,県下8ブロックに各1つの社会復帰施設への整備費補助や,精神病院へ入院中の精神障害者に職場適応性の促進を図るため,障害者および医療機関に対して,職場復帰促進助成金の交付等の諸事業を実施している.また地域においては,ほとんどの保健所で個別指導(相談,訪問),集団指導(家族教室,生活指導教室)および家族会,断酒会の育成に力が注がれ,精神衛生センターおよび社会復帰医療センターではデイケア活動,4地区の家族会では小規模作業所等の活動を行っている.さらに,今年度から県レベルで職親制度(委託事業所)がスタートしたので,就労への潤滑油として役割が期待されている.
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