余白のつぶやき・27
湯布院にて
べっしょ ちえこ
pp.1189
発行日 1981年10月1日
Published Date 1981/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919378
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あれが鶴見岳、これが由布岳と指されるままにこうべをめぐらせているうち、車は巨大なすり鉢のへりをゆっくりとすべりおりて高原の町へ入っていった。
朝のうち大分の市中で仕事を済ませ、東京から同行した友だちと別府で合流して、まだ陽は高いけれど山道は暮れるのが早いからと、あわただしく出発してきたのである。夕食は湯布院の山菜料理、と話がきまっていた。
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