特集2 浣腸療法の指導
浣腸療法指導の困難な患者へのアプローチ
新屋 福江
1
1広島大学医学部付属病院
pp.532-535
発行日 1981年5月1日
Published Date 1981/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919236
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はじめに
近年,人工肛門の術後管理のひとつとして,我が国においても淀腸療法(洗腸療法)の指導が広く行われるようになってきた.周知のごとく,本法は微温湯または生食水を人工肛門から結腸内に注入し,結腸の排便運動を誘発し結腸内に貯留している便を排泄させるもので,その手技に習熟すれば1-2日に1回人工肛門から排便を得て,次の浣腸時までは排ガスはあるが排便はないというようにコントロールすることができる.
しかしこのように浣腸療法が広まってきたものの,浣腸指導を術後のいつごろから開始するか,その指導方法あるいは退院後のアフターケアなど,なお多くの問題が残っている,私たちは1977年より積極的に淀腸療法を指導し人口肛門造設者の社会復帰に好結果を得ているが,その経験より,看護の立場から指導上の問題点について考えてみたい.
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