特集 目でみる診療基本手技
救急手技
内科医に必要な救急処置
浣腸・摘便
村田 直樹
1
1東京都立府中病院救急診療科・内科
pp.320-325
発行日 2008年12月20日
Published Date 2008/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103719
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
浣腸は便秘の訴えの患者さんに施行したり,病棟での検査・手術のルーチンの前処置であったりと,日常最も多く行われる処置の1つである.しかし,主に看護師が実施することが多いため,指示を出す医師のなかには浣腸についての基本的な知識・手技を知らない者も少なくない.そのためか,適応や方法を誤ったことによる急激な血圧の変動や結腸穿孔などの合併症の発生が報告されている.
摘便は主に介護などの現場で看護師による排便の援助の方法と位置づけられている感があるが,救急室においては,医師が診察時に直腸指診とともに簡便に行うことができ,もっと見直されるべき手技と考えている.
看護師さんに,「便秘なんだから浣腸しといて」と気軽に指示する前に,浣腸・摘便についての基本的な知識・手技を身に付けておかれることをお勧めする.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.