プロフィル
—今野幸生—閉鎖病棟の開放化に全力で取り組む—「密室性をとにかくなくさなければと思って」
吉
pp.1329
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919121
- 有料閲覧
- 文献概要
病棟に出入りする度にドアにかける鍵の音。窓には逃走防止用の鉄格子。精神科の閉鎖病棟という言葉からまず連想されるのは鍵。「いったい、この患者さんたちに対して鍵なんかいるのだろうか、そんな素朴な思いが自然とスタッフの間から出てきたんです。一般社会とあまりにも違った場所で、社会に通用しないことがあまりにも多いのに社会復帰だなんて……」
若いスタッフから出てきたこのような思いや、一九六九年の精神神経学会の金沢学会(既成の精神医学界への強烈なノン)などが刺激になり、閉鎖病棟を考え直そうとする空気が生まれてきた。「それに僕ら東北人はバカ正直なんでしょうか、組合運動で医療労働者は患者のためになれ、なんて言われるとついその気になってしまって……」
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.