ベッドサイドの看護
ショック状態にある重症熱傷患者の看護
榊原 守
1
,
中野 とも子
1
1いわき市立総合磐城共立病院集中治療部
pp.167-172
発行日 1980年2月1日
Published Date 1980/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918881
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はじめに
受傷直後の重症熱傷患者は,激しい疼痛におそわれるとともに突然の受傷に驚愕して情緒不安定の状態になりやすい1),さらに多量の水分喪失があり電解質および代謝異常に起因する意識障害が加わるため,うつ状態になったりまたある者は治療を拒否して,医師・看護婦の協力要請にも応じなくなる場合もあると言われている.
本事例は,第3度熱傷22%,第2度熱傷58%という重症熱傷で,以前に軽い異常行動が見られ,それを思い悩んだ母親と共に受傷当夜に一度自殺を図り,その数時間後に自宅火災のため熱傷を受けたもので,入室後は高度の興奮状態が持続した.
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