救急医療と看護・5
ショック状態患者の看護とポイント
田伏 久之
1
1川崎医科大学救急医学科
pp.845-848
発行日 1977年8月1日
Published Date 1977/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922508
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Ⅰ.ショック初療の重要性
救急医療では,ショック状態の患者が搬入される機会は多い.このようなときに,‘すぐに何をすべきか,まず何を知るべきか’を常に,心掛けておくことが必要である.これは,救急初療におけるショック状態の評価と初期治療の適否が,予後を大きく左右するからである.
もし,治療開始が遅れたり,正しい治療が行われなかったりすると,refractory shock(難治性で予後不良を思わせるショック)と呼ばれる状態に陥り,ショックよりの離脱が困難になる.また,ショック状態が遷延した場合,たとえショックより回復できても,腎,肺,消化管,肝などの臓器障害(ショック臓器)をきたし,このために結局は,不幸な転帰をとってしまうという結果にもなる.
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