ベッドサイドの看護
自殺企図を繰り返す神経症患者へ体験的接近法を試みた1事例
安谷屋 好子
1
1兵庫医科大学病院精神科病棟
pp.727-732
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918717
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はじめに
自殺企図行為の要因として,さまざまな因子が考えられるが,神経症患者においては,ゆがんだ感情の表出行為としてとられることが多い.
過去2回の入院において激しく自殺企図を繰り返し,今回も同じく自殺企図を顕示して3たび入院してきた患者を研究対象に取り上げた.この患者は神経性食思不振症とうつ状態を交互にきたし,その間に自殺企図と意識障害を伴うことに特徴があり,またニードの表現にも特徴があった.例えば自分をかまってほしいということが言えず,看護者の目の前で首にひもを巻きつけてたたずみ,それを看護者の注意をひく行動とするが,期待どおり看護者が接近しないと,シャンプー液を飲む行動にでる.
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