病める心の人とともに・2
精神科看護のあけぼの
羽生 りつ
1
1元国立武蔵療養所
pp.189-192
発行日 1978年2月1日
Published Date 1978/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918328
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Kさんの無断外出を喜ぶ
午前中の病棟回診では,久し振りに多くの患者さんとお話しすることができました.その喜びと,あわい満足感をいだきながら,午後のひと時,書類に目を通しておりますと,けたたましく電話のベルが鳴りました.ドキッとした思いで受話器を手にしますと,交換手が‘八坂派出所から電話です.患者さんらしい人が保護されているとのことです’と電話をつなぐ.
うちの患者さんではないかもしれないと自問しながら,‘もしもし,こちら婦長室の者ですが……’と通話を続ける.
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