ホームヘルパー跳びある記・7
どんなわがままな老人でも
星 美代子
1
1荒川村役場
pp.742-744
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918201
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‘どんなにわがままな老人でも,変わり者でもヘルパーは放置することはできないもんね’ある研修会で顔を合わせた隣町のヘルパーSさんはため息まじりにこう言うのだった.
がんこでひねくれていて,しじゅう憎まれ口はきくし,近所の人々も寄りつかない老人がいる.民生委員もお手上げの格好……しかしだからといってヘルパーはその老人をほっぽり出すわけにはゆかない.時には自分の手に余ることもある,だれかの助言がほしい……夕方役場に帰って相談する.しかし,‘あんなわがままな年寄りほっておけ’‘明日から訪問中止して少し困らしてやったらどう’などと言われるのがおちである.そんな一辺倒な言葉で片付けられると,逆にその老人への哀れさがつのって,今までと違った理解の仕方が生まれてくる.たとえどんなお年寄りでも,必ず良い面はもっているものだし.
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