特集 なぜ看護者に個人の机はないのか
なかった‘机’の意味から—原初的な看護行動への回帰
佐藤 登美
1
1三楽病院
pp.565-570
発行日 1977年6月1日
Published Date 1977/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918164
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
なかった‘机’の意味
疾病の看護から,病人の看護への転換は,今さらいうまでもないくらい,ゆきわたった考え方になっている.そして,ここでいう病人の看護は‘病人一般’ではない.どこまでも病人その人への看護である.つまり,その人その人に対応して,行う(する)看護を組み立て,実践することなのである.
したがって,この病人の看護への転換は,疾病という類型的な観点を超えて,‘病人その人へ’という個人に,より積極的・集中的に焦点を合わせて,初めて十分な意味をもつものであるだろう.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.