目で見る移動・介助の実技・7
脊髄損傷患者 1—基本的な移動・介助の仕方(1)
武田 功
1
1国立身体障害センター
pp.969-972
発行日 1976年9月1日
Published Date 1976/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917978
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はじめに
脊髄損傷患者の移動・介助については,今まで何らかの形で発表されており,別に目新しいものではない.しかし,特に近年の交通と産業の発達そして諸種の原因の多様化のなかで,医療の進歩による死亡率の低下から脊髄損傷患者(特に頸髄損傷患者)の数は増加の一途をたどっており,次第に老齢化・重度化の傾向にあるといわれている.
本誌で企画されたトランスファー・テクニック,老人,脳性麻痺児,筋ジストロフィー患者と同様,脊髄損傷患者の移動・介助も重要なもののひとつであり,むしろ不用意な移動・介助による二次的損傷から重篤な結果を招くことすらあるので,普段から十分練習し介助者自身の体をも痛めないよう注意しなければならない.私自身まだ未熟であるが,昭和50年1月から1年間私が留学していたNational spinal injuries center, Stokemandeville Hospital(英国の脊髄損傷センター)での方法等を含めて紹介したい.
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