ベッドサイドの看護
静脈内持続点滴施行中の小児の病衣
渋川 和枝
1
1聖母病院小児病棟
pp.583-587
発行日 1976年6月1日
Published Date 1976/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917894
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はじめに
人体内の成分中最も多いものは水分である.これらの水分は,ただ水として存在するのではなく,各種の栄養素を含んでいて体液と呼ばれる.体液は体重の約60%を占め,特に小児は更に多く70%,乳児では77%にも達しており,更に細胞外液が全体重に対して占める割合が成人に比べて大きいこと,1日の水分の出納との割合が非常に少なく約2倍しかないこと,このことから小児は些細な原因で容易に体液の不足や電解質のバランスがくずれ,脱水状態に陥る.
発熱,嘔吐,下痢,重症感染症などの原因で,脱水症状を呈し入院してくる小児の看護に接するとき,いちばん念頭におかなければならないのが水分の補給であるが,経口的水分補給に努める一方,それが不十分または不可能なときは,直ちに注射によって輸液が行われる.
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