特別企画 付き添い体験を聞く
病院は命を守る戦いの場
山代 巴
,
川上 武
1
,
山根 美代子
1
1杉並組合病院
pp.10-21
発行日 1971年7月1日
Published Date 1971/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917720
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付き添い経験に学ぶ
川上 現在看護学とは何かということが,盛んに論じられてますが,それはあくまでも看護短大なり,看護大学,看護学校の教科の問題にすり替えられ,現実の看護から出発していないように思われます。どこの病院でも,完全看護が基準看護といわれるようになっても,現実に看護婦だけで運営しているところは少ない。家族の付き添いに依存したり,付き添い看護婦を雇わなきゃならないという状況は,いっぱいあるし,今後ますますふえていきそうです。
これはいまにはじまったことでなくて,病人の看護というと,家族や付き添い看護の問題は昔からあったことなんです。だがそういう問題に,戦後二十数年たつにもかかわらず,看護の目が全然向かなかった。看護というのは,プロフェッショナルな看護婦だけの問題というふうに考えられて,もっと底辺というか,現実にある看護そのものはほとんど問題にならなかった。
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