看護風土記
群馬/福岡
加部 八重子
1
1前橋赤十字高等看護学院
pp.9
発行日 1970年11月1日
Published Date 1970/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917649
- 有料閲覧
- 文献概要
上州名物は「かかあ天下にからっ風」という。かかあ天下は,桐生,伊勢崎などの機織り女性の生活力によるようだが,山間のこの地では,女性がたくましくなるのも当然であろう。冬のからっ風の影響は,上州人の語気の強さに表われ,そのうえ熱しやすい気質をもつ上州人の会話は,知らない人に喧嘩と思われることがある。
さて,看護面は看護婦養成で前橋赤十字病院が伝統をもち,群馬大学付属病院は,新しい医療看護の中心をなしている。終戦後,私たちは日本看護協会群馬県支部に結集し,いちはやく新看護教育を僻地まで普及させた。当時の夜をもいとおぬ役員の努力は,会を育て,会への愛情に変わっている。ついで,保・助・看合同で,福祉事業として結核後保護施設「桂荘」を生み,今日では内部障害者施設に発展している。荘のかたわらには,退職された総婦長さんの家々が,珍しい婦長村をつくっている。その一角に,支部会館も建設の日を待っている。このほか,支部では医師会へ働きかけて,進学コース増設をはかったり,福祉群馬を宣言した県と看護問題を話しあったりして活動しているが,なんといっても年間の教育計画が看護婦会員1300人あまりの大きな魅力となっている。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.