けんさ—私の経験
優秀な細菌検査技師は病院の宝
塚田 弘樹
1
1新潟大学医学部附属病院第2内科
pp.585
発行日 1999年10月30日
Published Date 1999/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906482
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日頃,呼吸器を中心とした感染症の診療に携わっている関係で,細菌検査室からのデータは,診断から治療の決定のうえで重要な情報として大事にしている.病原微生物の同定から菌のMIC測定,最近の遺伝子診断まで含め,信頼できるデータを返してくれる細菌検査室のスタッフの努力に敬意も表している.その責任者Oさんの臨床微生物学の知識と経験,分離菌のデータ管理の能力は,全国の大学病院どこに比べても遜色ない,私どもの病院の財産とも考えている.
彼女らの毎日の超過勤務の連続により私どもに還元される検査結果が,有効に活用され,役立っているのかについては,Oさんならずとも危惧するところである.検体だけ提出して,重症肺炎でもグラム染色の確認をしない,抗菌薬がある程度効いているからといって,返されたデータを確認しない,耐性菌への菌交代時でも依然効果のうすい抗菌薬が使用されるなどの事例をたまに見るにつけ,Oさんの溜息が聞こえそうである.
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