ベッドサイドの看護
急性白血病患者の看護
瀬戸 正子
1
1群馬大学医学部付属病院
pp.697-701
発行日 1975年7月1日
Published Date 1975/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917287
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従来,白血病と診断された患者は,1週間から1か月の間に死の転帰をたどる例がほとんどであったが,抗白血病薬・腫瘍性抗生物質等の出現により,何回かの緩解期を経て患者の延命効果は増加の傾向にある.一方,患者の家族にとっては,一応寛解をみても予後不良という患者を抱え,その精神的・経済的悩みは尽きない現状である.看護をする者にとって,治療の変遷を知り,病状経過を観察しながら患者および家族の悩みにいかに対処していくべきかを考えることは大切であり,ここにその一端を述べてみたい.
山田・三浦ら1a, b)の最近の集計によれば,白血病患者の生存期間と治療との年次的推移は,表1に示すごとくである.急性白血病の長期生存例としては1963年米国癌学会においてMurphy,Burchenalら2)によるもので768例の急性白血病のうち4年以上の長期生存例4例を挙げ,そのうち1例は24歳で発病,8年4か月間生存中の症例を報告している.我が国においては,大阪成人病センター3)の28歳男子の急性リンパ性白血病は昭和38年4月診断,今日まで8年余り完全寛解にて生存している.
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