グラフ
老人の人間回復を目ざして—10年目を迎えた特別養護老人ホーム“悠生園”の看護活動
pp.218-221
発行日 1975年3月1日
Published Date 1975/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917195
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特別養護老人ホーム“悠生園”(福岡)が昨年11月1日で満10年を迎えた.悠生園は自らもポリオで左足の自由を奪われた体験をもつ一開業医・田中多聞氏が ナーシング=ホームとしてスタートし メディカル=ケアとリハビリテーションを行う‘老人の町’づくりを最終目標において開設したものである.頭初はわずか70名の小世帯にすぎなかったものが 今では200名にふえ 初心の志は着々と実現されつつある.
悠生園の思想は社会医学である.それは安易なお恵み行政や飼い殺しの福祉を拒否し人間の自立と誇りを守ろうとする試みであったといえる.その試みは地道にコツコツと続けられ 10年で見事に開花した.悠生園の老人たちは 他人の世話になることを恥じる.お互いに助け合い 老いと闘っている.更に一歩すすんで 人生を楽しむことに挑戦している.
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