学生の研究
指導者の立場から—事例研究のあり方を考えさせられる
佐藤 洋子
1
1秋田大学医学部付属高等看護学校
pp.1082
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661917122
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学生が研究を学ぶ目的は,研究の技術や形式ではなく,研究のプロセスであり,科学的理論過程である.“看護診断”という言葉が使われて以来数年たつが,だれかの意志決定で動くのではなく,看護婦1人ひとりが看護診断ができなければならない.そこに至る看護の過程は,研究のプロセスとイコールだと思うからである.
看護研究の1つである事例研究についてみれば,どの患者にも当てはまるような看護の目標・計画・内容が取り上げられ,患者の特殊性,その人の独特の看護の方法が出てこないパターン化された研究にぶつかることが多い.そうではなく,特にそのなかの1つに焦点を絞り,その問題にどのようにアプローチしたら,どのような因果関係で解決されたのかというプロセスが大切である.
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