グラフ
愛と真実の看護を求めて—桜町病院にみる医療と信仰の接点
寺塚 純枝
pp.10-15
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916907
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目ざましい都市化の波は 関東平野から自然の面影を奪い去ろうとしている.ここ小金井市も わずかに玉川上水の桜並木が昔日をしのばせているが それも既に余命幾ばくもないという有様である.開設当初は 武蔵野の木立に囲まれた閑静な結核の専門病院だった桜町病院(東京都小金井市桜町1-2-20院長赤須文男)も 今では住宅街の中の病院に変わってしまった.そのため 病院の使命も変革を全儀なくされ 結果として 地域住民のニードにこたえるために 昭和38年から“総合化”への変身が始まった.
桜町病院は 宗教関係の病院としては珍しく日本人の信者によって設立された.だから宗教関係の病院にありがちな布教を第1目的にした病院ではない.事実 信者はこの病院の職員の3分の1にすぎない.シスターは看護婦にも医師にも居るが 非常に少数である.患者は 地域住民が過半数であることはいうまでもない.
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