2色ページ 老年病学・11
社会医学的側面からみた老人ケア
田中 多聞
1,2,3
1東京都老人総合研究所
2元悠生園
3東京都立高等看護学院
pp.1450-1453
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916809
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老化と老人
老人を理解するには多因子的な老化促進因子を考える必要がある.生物学的な老化の研究は,臓器,器官,組織などに重点を置いているが,それらの研究データはきわめて悲観的である.器質的な老化現象,非可逆的な老化など絶望的な考え方が多い.生物学的老化と老いてゆく過程の人間とを混同するとそのようなことになろうが,老化は非可逆的な(器質的,病理的)ものと可逆的(機能的,生理的)な老化とがあり,とくに後者が多いことを見落としてはいけない.生理的というより普通の老化を異常に促進させたり病的老化に追いこむ因子が極めて多く,この点を老人のケアにあたる人たちはもっとも注意しなければならない.
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