マイ・オピニオン
職場に保育施設を
浪川 昭子
1
1国立水戸病院
pp.953
発行日 1973年8月1日
Published Date 1973/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661916717
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最近,テレビで紹介されたことで,すでにご存知の方もあると思うが,あるゴルフ場での話.キャディ不足を解消するために,近くの団地に住む家庭の主婦を起用することに目をつけて,1億円余りの費用をかけた保育施設を作り,幼いこどもがいて働きに出られない人たちを採用することにしたという。こどもが安全な保育を受けることができ,おかあさん方も働くことができ,ゴルフ場の手不足も解決され,まさに一石三鳥の試みとして話題になった.朝夕は送迎のマイクロバスで親子そろってゴルフ場へ通い,健康的な職場での昼休みは母と子が楽しく過ごすこともできるという.保育施設をもった職場は他の産業界には早くから存在しているが,医療関係施設にはまだ例は少ない.
深刻な看護婦不足は,看護制度や看護教育の抜本的改正にあるといわれるが,目の前にいる有資格者の待遇改善を考えたほうが養成に年月をかけるより手取り早いと私は思う.毎年教育を受けた若い看護婦が育児のために退職してゆくのをみるとき,その設備がすぐまに合わないなら,せめて育児休職制度を実現させることが急務の対策ではなかろうか.
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