科学的看護への基礎ノート・1
ロモン・クース「患者社会学」の講義をめぐって
杉村 春三
1,2
1慈愛園・ホーム園
2熊本大学高看学院
pp.38-40
発行日 1971年4月1日
Published Date 1971/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915992
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患者論,患者研究の方法論
医学研究の分野に医学概論があるように看護学研究の分野に看護学概論が考えられる。医学そのものの本質について哲学的アプローチを試みるものが医学概論だとしたら,看護そのものの本質的究明をするのが看護学概論であろう。
戦後の看護教育はかなり新しい分野を開拓してきたが,その一つは看護そのものを社会学的側面から考えていく試みである。終戦後まもない頃は看護学関係の図書資料も少なく,特に日本文献が少ないために教育面でも並々ならぬ苦労があったし,もちろん看護学生の側にもその苦労はあったわけで,筆者が担当した分野でも,海外資料を教材にしてこれを訳して学生にノートをとらせ,あるいはこれを解説するという方法をとらざるを得なかった。
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