患者とわたし
6週間の天下(2)
石塚 洋子
1
1元長野県市立S病院
pp.84-86
発行日 1971年1月1日
Published Date 1971/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661915891
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7月○日
近所の内科医が毎日往診してくれるのだが,はじめからサジを投げていて,熱意がない。胸にポンポンと聴診器をあてて,「ほんに,バアさまが死なはったとが,体にこたえたたい」といっていくきりである。
義母もはじめは「ほんにそうたいね」といって笑っていたが,この頃では少し変だと思っている。便所に行くのに壁をつたって行く。便器を使うようになったらもうおしまいだと思っているようだ。
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