講座ICU・5
意識障害
石井 昌三
1
,
順天堂大学医学部付属順天堂医院看護部
1順天堂大学医学部脳神経外科
pp.60-63
発行日 1970年8月1日
Published Date 1970/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914977
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はじめに
意識障害は頭部外傷,脳腫瘍,脳血管障害など頭蓋内の病変の他に,たとえば薬物,ガス中毒,ショック,重篤な肝・腎膵疾患などさまざまな頭蓋外疾患においても発生し,その成因はけっして一様ではない。しかしいかなる原因で成立した意識障害であるにせよ,それが長期間持続すると、原疾患とは別に意識障害そのものに起因する合併症,たとえば栄養障害,体液電解質の異常,肺,尿路感染症,産褥などの発生は避けがたいものとなり,これらはいずれも看護上の困難さをまし,患者の予後をも不良にする。
したがって意識障害の病態生理のあらまし,さらにその処置法を理解しておくことはきわめて望ましい。
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