連載 COLOR ATLAS—徴候から理解する脳のしくみと働き・1
意識障害[1]—意識障害の起こり方
馬場 元毅
1
1東京労災病院第2脳神経外科
pp.316-319
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921680
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シリーズを始めるにあたって
皆さんが患者さんに接していて一番戸惑うのは,循環器系の発作を来した症例に遭遇した時と,脳神経疾患の症例に接した時のようです.循環器系の発作を来している時は,一刻を争う事態が生じていることが多く,初期の診断,処置に過ちや待ったが許されないからでしょう.そして,脳神経疾患の場合は,少し事情が違うようです.もちろん緊急処置が必須の症例に遭遇する場合もあるかも知れませんが,それよりも脳神経の機能や解剖が複雑で,なかなか理解しにくいために,どうしても敬遠されがちになっている,と思われるのです.
そこで,このシリーズではこれから十数回にわたって脳のしくみと働きについて解説していく予定ですが,脳神経外科病棟に勤務していない看護婦さんにもやさしく理解していただけるように,カラーイラストレーションをたくさん使って,“目で見て”脳のしくみと働きを学ぶことを主眼としました.さらに,皆さんが日常接することの多い徴候(例えば,頭痛,めまい,片麻痺など)を1回毎のテーマとして挙げ,これに関係する脳神経のしくみと働きを解説していきます.
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