特別掲載
沖縄看護との連帯を考える
西原 牧子
pp.50-55
発行日 1970年3月1日
Published Date 1970/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914802
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はじめに
1972年に祖国復帰の沖縄に関して,経済,教育,社会保障と多角的に問題点が指摘されている。たとえば経済開発については,①畜産基地の開発,②石油工業を中核とするコンビナートの誘致,③日本のハワイとしての観光開発,という三本の柱がある。それにたいして基地経済の脱却と,そのための過渡期の対策がなくてはこうした未来像も無意味だという指摘がある。教育については多くの貧弱さが問題になっている。学校施設は小・中・高校とも校舎面積は本土の類似県の半分,屋内運動場を持つ小学校0.4%(本土64.6%)学校給食も学校数の49%(本土77%),定時制高校の一人当り教育費も本土の半分,学力は,小学校5年の国語で15.2点,中学3年の数学で18.8点も本土の学力平均を下回っている(昭和41年度)。それにたいして施設水準の向上のための財政援助の拡大に力を入れているといわれる。ベビーブームの波が本土よりおくれて,現在高校にきている沖縄にたいして多様化システムが導入されている。それにたいして本土における多様化教育のひずみを知らせることなく無謀なことをすると嘆く声が高校教師グループからもでている。
さて社会保障制度についてはどうだろう。特に医療については,そして看護の問題は? と紐をたぐってゆかなければならない。
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