連載 現代看護の諸問題・3
看護婦の賃金(その1)
大山 正夫
1
1日本医労協医療対策部
pp.89-93
発行日 1969年7月1日
Published Date 1969/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914545
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
看護職の存立をおびやかす賃金動向
毎年春には労働者の賃金引上げ闘争,いわゆる「春闘」が展開されるが,今年は私鉄総連に属する大手8組合が6,700円の賃上げで妥結したのがある程度の相場となって,労働省がまとめた主要労組(105社)の妥結額は平均6,589円,アップ率は15.6%となっている。また5月2日現在で集計したところによると,中小企業の平均賃上げ額はこの時点で6,008円となっており,アップ率は17.5%であった。これらはいずれも平均であって,10,000円以上の賃上げを獲得した組合も決して少なくないのである。
一方病院における賃上げ状況はどうだろうか。まだ妥結したところは少ないが,東京におけるいくつかの例をみれば,J医大5,132円(うち定昇1,300円)K病院2,500円,(ただし医療費改訂があれば再度検討)K病院3,850円,H病院2,000円,H病院3,000円(ただし役職者と看護婦は4,000円)といった具合で,たった1,500円程度の回答から一歩も出ないところさえある。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.