特集 北海道レポート
ルポルタージュ あふれんばかり“信ずる者”の一体感—第11回日本カトリック看護協会全国大会
Y.S
,
本誌編集室
pp.30-33
発行日 1969年11月1日
Published Date 1969/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914669
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祈り
白い僧衣にひっそりと身を包んだシスターたち,チャコールのそれは司教。ひそやかな私語と,すれちがうたびに交わされる軽い会釈…。かなりガサツな雰囲気のなかでばかり生活している当方にとって,ここは異境に近い。当惑しつつも会場の天使女子短大の門をくぐる。北の国に特有の乾いた日の光のなかに,花園にかこまれて短大が建っている。白い僧衣,マリアの像…。8月2日から3日間,日本カトリック看護協会(J.C.N.A)はその発祥の地,札幌に第11回目の全国大会を開催した。
9時半幕開き。150名をこえる参会者の多くが平服なので,違和感は多少うすらいで安心する。しかし,すっかりなくなったわけではない。式典の進行につれて,別の不安が頭をもたげはじめる──ここは,私のごとき不浄の身が存在すべき所ではないのではないか──不安に身をおののかせつつ,会場の片すみで会の進行を見守る。
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