薬のはなし・最終回
薬の選択
佐久間 昭
1
1東京医科歯科大学
pp.66-67
発行日 1969年3月1日
Published Date 1969/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914407
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流通機構
商品としての特殊性と,発展過程の特殊性などから,日本の薬の流通機構は,はなはだ複雑である。メーカーから卸問屋を経て,薬の専門店から一般消費者へ流れる道と,病院,診療所を介して消費者へ流れる道とが主体であるが,チェーン組織,配置薬販売,生活協同組合や購買会なども無視できない支流である。2つの主流は,いわば,大衆向けと医家向けと呼べるもので,およそ半々程度のウエイトをもっていたが,現在では4:6ないし3:7と,次第に医家向けの流れが強くなりつつある。
全国には約1000の卸問屋があるが,月商3億円をこえる大型店は約20といわれ,これらの卸問屋は,需要供給の貯水池的な機能を果している。そして多くの卸問屋は,特定メーカーの系列に属している。
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