Nursing Study
長期療養患者の小遣い銭についての考察
上田 博
1
1国立療養所石垣原病院付属高等看護学院
pp.98-101
発行日 1968年10月1日
Published Date 1968/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661914169
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はじめに
結核のように再発の多い慢性疾患を治療するためには,時間とお金が必要です。社会的にみれば社会保障制度の問題ですが,個人的にみても経済的,精神的負担ははなはだ大きいのです。肺結核の治療は今までのような身体医学的な問題に尽きるものではなく,患者の心理を理解して,精神的にも指導しなければ,多くの結核患者はその療養を全うし得ないのではないでしょうか。
そこで精神看護,情緒看護,心理看護を行なうために,当石垣原病院における成人肺結核患者158名を対象に,小遣い銭について,年齢,性別,患者および家庭の職業,家族構成員数,入院療養期間,入院区分,小遣い銭の収入源,小遣い銭の使用方法,家族との連絡方法などを背景に,1か月間における小遣い銭支出の内訳と平均必要額を考察し,経済的側面から精神看護面に役立てるべき資料の実態を把握できたので,ここに発表いたします。
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